158. 転生

死後、別の肉体、形態に生まれ変わる事。

バラモン教、ヒンドゥー教、仏教等のインド系の宗教、ギリシャのオルペウス教や、グノーシス主義にも見られる。古代エジプトの『死者の書』には、青鷺に転生できる呪文が! 一方でユダヤ教、キリスト教、イスラム教等にはこの考えは無い。死んだら最後の審判で裁かれて、天国行きか地獄行きかだ。

転生には3つのタイプがある。一つは、循環型。生まれ変わるのは同族内が多い。動物や植物になる場合もある。2つ目は、輪廻流転型。ヒンドゥー教等がこれで、業(カルマ)によって苦行が繰り返される。ここから逃れる事が、解脱。この考えが仏教にも取り入れられ六道輪廻するとし、また、前世現世来世の三世とした。最後が、19世紀フランスで始まった、リインカーネーション。これは、転生する度にに近付くとする、成長型。

日本での初出は、平安時代の最古の説話集『日本国現報善悪霊異記』で、「因果応報」の考えとして載る。古今東西の神話・伝承にも多く登場。インド神話のビシュヌ神もそうだし、『西遊記』でも描かれる。

現代の創作においても、三島由紀夫『豊饒の海』、手塚治虫『火の鳥』。1980年代には、石ノ森章太郎の『幻魔大戦』や、日渡早紀の『僕の地球を守って』が大ヒットし、雑誌『ムー』でも転生の投稿が殺到。戦士症候群というサブカルチャー現象となった。ただ、小中学生女子の自殺未遂事件や、オウム真理教といった悪影響も生み出してしまった...。

現実でも、1960年アメリカ・バージニア大学のイアン・スティーブンソンらにより、前世の調査が行われ、2000以上の実例が挙げられた。古くはピタゴラスも前世の記憶があったと言われ、現代でもシャーリー・マクレーンは、自らの前世アトランティス人だと言っている...。最も有名なのがチベットのダライ・ラマだが、近年中国当局により転生する際は申請の上、許可を取ることが法化されてしまった...。

描いたのは、数十年前流行った動物占いで「あなたの前世は、群から離れて暮らすアルマジロ」と出たことを思い出して...。

木枯らしや前世股旅アルマジロ風来松