我が家の台所には「火迺要慎」と書かれた、お札が貼ってある。義姉さんに貰った、京都の〈愛宕神社〉のもの。役小角と、白山の開祖泰澄が建立し、火の神迦具土が祭神なので、効きそうだ…。ここに、3歳までに参ると一生火災に遭わないという!
護符…神仏の名・形像・梵字である種子・真言などを紙や木板に記ししたもの。身につけたり、壁に貼ったりする。神仏の御加護、除厄を行う。
鎌倉時代、日本に伝わった中国道教の呪符で、向こうでは霊符という。桃の木で作られることから、桃符とも。
疫病除けとしては、前項で触れた牛頭天王や、その前身ともいう天刑星、蘇民将来のもの…
道教の神鍾馗は長い髭をは生やした剣を持つ宮人の衣装。科挙に落ち自殺したのだが、高祖帝の恩に報いる為に現れたといい、瘧にかかった玄宗皇帝の夢に現れ、鬼を食った。
絵にも描いた角大師は、二本角の痩せさらばえた夜叉の姿。平安時代の天台宗の僧・良源が変じた姿。この人、沢庵漬けや御神籤の元祖という話も…。
熊野牛王符は、これも描いた通り烏の姿。熊野三山で配られる。裏に描かれた起請文を書き、破ると神使である烏が一羽死ぬと言われる。赤穂浪士も討ち入り前に、これに誓ったという。高杉晋作の『三千世界の烏を殺しぬしと朝寝がしてみたい』も、これを踏まえたもの。
疫病除け以外でも、讃岐〈金毘羅さん〉の航海守護、〈水天宮〉の水難除け、関東〈榛名山〉の雹除け(養蚕の桑の産地)、そして以前書いた〈秩父三峯神社〉の狼の護符などがある。
コロナ禍で大活躍しているのがアマビエ! 江戸後期、肥後天草に現れた予言獣で、「これから疫病が流行るのでじぶんの姿を紙に書き写し見せよ」と言ったらしい…。殆ど、資料や伝承も無く、実はアマビコの、書き間違い説も…。
障子張るアマビエ描く内と外風来松