41. 座敷童

東北、特に岩手県に多く現れる。姿は三歳から十五歳くらいの子供。男女いて、男は絣か縞の着物、女はちゃんちゃんこ・小袖・振袖。おかっぱや、ざんぎり頭。布団の上に乗る、枕を返す、灰に足跡を残す、物音をたてる等のいたずらをしたり、いつの間にか子ども達に混じって遊んでいたりする。子供にしか見えないとも。これがいる家は栄え、去ると傾くという。白い服なら吉兆だが、赤い服だと出ていく前触れとも。奥座敷にいるとされ、毎日御膳を供えたり、これのための部屋を作る風習もある。

特に色白で綺麗なチョウビラコ、逆に土間から出て這い回るノタバリコは不気味な印象。宮沢賢治の童話にもある座敷ぼっこ、蔵に棲む蔵ぼっこカラコワラシ米搗き童子、菩提樹に棲むカブキレワラシ龍宮の土産にもらうという龍宮童子…等がいる。

東北以外でも、徳島県の金毘羅・奥の院周辺の家に出るというアカンシャグマ(赤く染めた熊の皮を被っている。)、愛知県新城市の座敷坊主、香川県島田のオショボ、北海道アイヌアイセイ、沖縄県アカガンター、海外のコボルド…等も、よく似た性質の妖怪と言える。
 
岩手県といえば、やはり柳田國男。『遠野物語』・『石神問答』・『妖怪談義』等で、数多く座敷童についての記述がある。二人の女のそれが去った家が食中毒で全滅したとか、土淵村で金持ちの家の男の子が座敷童を矢で射て家が傾いたとか、同じ村の小学校で1910年に現れたが1年生にしか見えなかった等、様々な話を収集している。

二戸市の〈金田一温泉・緑風荘・槐の間〉は、座敷童が出るとして特に有名。元は、南北朝時代に落ち延びてきた先祖の霊だという。盛岡市の〈菅原別館〉も知られる。こちらは、女将の嫁入りについてきた、火除けの神。予約は多いようだが、前者は夕食付きで2万円強、後者は素泊まりで8千円と意外とお高くはない。同地の〈早池峰神社〉の座敷童は、参拝に来た者について帰ると言われる。実際1983年に連れ帰った新潟県の男性がその後大成功を収め、5年後神社では〈座敷童祈願祭〉を始め、最近まで座敷童に見立てた人形を授けていた。青森県五戸町では新築の際、金の玉を床下に入れるとこれを呼べるという。一方、同じ東北でも、秋田県は三吉鬼が睨みを利かせている為、座敷童に限らず下等な妖怪は入れないらしい!

さて、話は変わるが、昨年優勝を果たした、阪神タイガースにも、わらし姉妹がいる。二人の女の子だが、毎回気の利いたボードを持ってTV中継でもよく抜かれるので、阪神ファンの間では有名だ。現れた頃は小学生だったが、いまやすっかり大人になり、社会人になったという噂。今年は姿を見ない為、やはり本当の童子だったのかと囁かれている。ということは、阪神、今年ピンチでは?そろそろシーズンも終盤だが、現在3位…。

盆休み座敷童のまた居りぬ風来松