人間の仕事や家事を手伝ってくれる妖精。
妖怪では、山男、山童、河童、沖縄のキジムナーや、奄美のケンムンか…。
真っ先に思い浮かぶのは、『グリム童話』の、『靴屋の小人』。
スコットランドではブラウニーがよく知られる。家に棲む小妖精であり善き家神。身長は1m弱で、髪も髭も伸ばし放題、茶色のボロを纏っているのが、名前の由来。家人が出かけている時や眠っている時に、家事や家畜の世話をしてくれる。お礼として、彼らの好物の〈ポリッジ(ミルク粥)〉を置いておく。ただ、飽くまでさり気なく…がポイント。あからさまだと、機嫌を損ねて出ていってしまう! また、彼らの目的は衣服を手に入れる事なので、それをお礼にしてしまうと、やはりいなくなってしまう! 前述の『靴屋の小人』でもそうなった。
イギリスにはブラウニーの仲間が多くいる。イングランドのロブは、炉端にいる悪戯もの。悪口や不幸が好きだが、住民には親しまれている。大きな体で、尻尾もある。北部ウェリングボローの農家に住み着いたそれは人の姿だったという。お手伝いのお礼には、鉢いっぱいの牛乳を。スコットランドのキルムーリスは、粉挽き小屋に棲む。30cm程の大きさで、口は無くテレパシーを使う! アイルランドの嘆きの妖精・バンシーは女の姿。泣いて死者が出るのを報せる外に、善良で疲れた女や、老婆の元に現れるともいう。イングランドのシルキーも、白いドレスの女。何代も続くような旧家に出る。ニューカッスルの〈ベントホール屋敷〉が有名だったが、家人とケンカして出て行ってしまった。
話をブラウニーに戻すと、お菓子のブラウニーの名前も、この妖精からという。また、絵に描いたNHKのキャラクターどーもくんが大好きなレオナルド・ディカプリオは、【どーもくん】の事を勝手にブラウニーと呼んでいる。ただ、どーもくんは、恐竜時代の生き残りなのでお手伝いはしてくれない…多分。
夜なべもう妖精に賭け眠ろうか風来松