86. ネッシー

2019年9月6日ニュージーランドのオタゴ大学が、ネス湖のDNAに関する大規模な調査を行った。結果『ネッシーはいなかった』の見出しがニュース等で多く報じられたが、訂正頂きたい。『ネス湖の怪物は、首長竜の類ではなかった』と。

スコットランド北ハイランド、ネス湖。長さ約35キロ、水深230メートル。

ネッシーの起源は古い。565年聖職者コルンバが湖の北側のネス川で怪物と遭遇したというのが最初の記録。中世には、顔が馬、下半身か海蛇のような姿のケルピーが人々を襲い恐れられた...。

現代における騒動の始まりは、1933年5月2日ジョン・マッケイ夫妻の目撃に始まる。実は、4日前に映画『キングコング』が公開され劇中、竜脚類が登場している。その後、目撃例が相次ぐ中、翌年〈外科医の写真〉として有名となる一枚が撮影される。(実際、医師R・K・ウィルソンは産科医だったが。)が、1993年これが捏造だったとクリスチャン・スパークリングが死の間際に告白した...。

ただ、その後も今に至るまで、多くの目撃が続いており、1960年ティム・ディンスデールの泳ぐネッシーの映像、1975年ボストン応用科学アカデミーのほぼ全身の水中写真は、よく知られる。 1980年代には、サッチャー政権がネッシーの保護を検討。バンドウイルカによる探索も計画された。『ネイチャー』も正式ではないが、学術名を命名...。

日本も石原慎太郎を団長に調査に赴いたことがあるが、収穫は無かった。

1987年には、大規模なローラー作戦が行われ、ソナー調査も。 そして、2023年、赤外線カメラを搭載したドローンも等も使い、大規模な捜索が行われたが、空振りに終わっている。

最近のDNA調査では、ウナギ説も否定され、藻が合体したモンスターでは...といったトンデモ話も! スコットランドの政治家グリスト・マケレニーは、大戦中ネッシーの死体らしき物が発見されたが、秘密裏に処分されたと発言している...。

その正体としては、首長竜プレシオサウルス、古生代の水棲生物ツリモンストゥルム、ウナギやアナゴ、チョウザメ、ウミウシ、流木、波動などが挙げられる。

ネッシーの仲間としては、日本の北海道屈斜路のクッシー・鹿児島県池田湖のイッシー、海外にもアメリカ、シャプレーン湖のオゴポゴを初め、高野秀行と早稲田大学探検部が調査したアフリカ中央部のモケーレ・ムベンベ等など...。1977年日本の漁船が引き上げたニューネッシーも衝撃的だった!

創作物でも、1980年『ドラえもん』初の長編映画『のび太の恐竜』。1988年景山民夫の小説『遠い海から来たCOO』。更に彼の書いた短編1997年の『ハイランド幻想』もとても良かった。

いつか、ネス湖を訪れてみたいものだ...。

冬の湖ギネスとネス湖9日目風来松