55. 式神

しきがみしきじん、単にとも。高知県の陰陽道の一派とされるいざなぎ流では式王子、かつては識神と称した。

陰陽師等が使役する、鬼神精霊。人心より起こる善悪を見定める役とされる為だろう、常に二体一組で行動する。常人の目には見えないが、見せる時は異形、童子、鳥獣などの姿となる。

一般的に知られるのは、式札なる和紙に呪文を唱え、息を吹きかけたり、血をつけたりしてを込めるもの。術が行使されると姿を現す。前述の役目以外にも、呪い祟りの身代わりとなったり、安倍晴明は普通に家事や小間使をさせていたという。これを擬人式と呼ぶ。他には、術者の思うままの形をとる思業式。そして、悪事を行った神霊を調伏して従えた悪行罰示があり、これが最強とされる。

悪行罰示には、役小角の前鬼後鬼、安倍晴明の十二神将等が有名。

『千と千尋の神隠し』でも、銭婆ハクに、式神をけしかけるシーンがあった。

*今回は絵ではなく写真にしてみた。筆者はこれとは別に、モノに俳句を書いて写真の作品とする〈俳句ラフィティー〉というのもやってます。興味のある方は是非!

日雷式神窓に五六匹風来松