320. 42

島引き鬼でも紹介した、『朝日歌壇』の常連である小学生歌人・山添聡介くんの短歌。え?そんな事ある?と思って調べると、有名な話だった!

理論上、0.1mmの紙を42回折ると、約44万kmとなり、月までの距離38万kmを超えるという! ただ、実際に折る事が可能なのは、5、6回が限度。ギネス記録でさえ、ブリトニー・キャラバンが〈MIT〉で出した13回。ちなみに、103回折れば、宇宙の厚さの約930億光年に!

ただ、この話、これだけでは終わらない。〈Google〉に、「生命・宇宙そして万物についての究極の疑問の答えは?」と聞くと、その答えが42と出てくる! 実はこれ、欧米でカルト的人気のダグラス・アダムスの書いたドタバタSF小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』のネタで、スパコン〈ディープ・ソート〉が750万年の計算の末に出した答え。作者は、42という数字については、「特に何でもない数にしただけ」と発言している。

なーんだ、そうか…と思ったが、実はこの42という数字は、この世の至るところに見え隠れする…。エジプトの『死者の書』に登場するの数。『グーテンベルク聖書』の1ページの行数。数学的には、和が42になる3つの立方数の組み合わせは、つい最近まで未解決だった。世界中の未使用のコンピューターを並列処理し、50万台以上のパソコンで、のべ100万時間(114年)以上かけて、17桁(1京の位)で構成される解を導き出したという…。この42の事実を知ってだろう、『Xファイル』のフォックス・モルダーは42号室に住んでいたし、スタンリー・キューブリックも『シャイニング』の中でこの数を多用している。イギリスには〈レベル42〉なるロックバンドがいる。2020年に日本でも開校した、フランスのエンジニア養成機関も〈42 Tokyo〉という。

日本では、42は「しに」と読める事から、不吉な数として避けられる。車のナンバープレートの下2桁では、49と共に欠番。野球の背番号にも、まず付けられない。ただ、例外はあり、元〈阪神タイガース〉の下柳剛は付けていた。〈MLB〉においては、初の黒人メジャーリーガーであるジャッキー・ロビンソンの背番号の為、永久欠番に。なので、日本に来て付ける外国人選手は少なくない。

さて、絵に描いたのは『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルも、42に魅入られていた。作中、王の読み上げる規則は42条、42個の箱、42と書かれた荷物、挿絵の数も42枚! 42となる7×6も多用されていて、アリスは7歳6カ月。

さて、筆者も試しにティッシュペーパーを折ってみたが、7回が限度で、月までは届かなかった。先に述べたギネス記録では、1200mのトイレットペーパーを使用したのだが、大きさに関わらず難しいそうだ。『size matters not』。

新聞紙43回折ったなら月までとどくと知った秋の夜山添聡介