さて、前回の続きだが、ジュールベルヌの『地底探検』では、地底への入り口は、スナイフェルス半島とされた。近年、UFOも多く目撃されている!
ここにある巨人像は、バルズルという名で、人間の母と、トロールと巨人のハーフである父から生まれた。または、スカンジナビア王の息子で9世紀終わりの洪水からこの地を守ったが、次第に巨人化し氷河に消えたという話も。いずれにせよ、この土地の守護神とされる。
アイスランドには、巨人やトロルの伝説が多くある。
よく知られるのが、アイスランドのサンタクロース的存在、クリスマスまでの13日間に1人ずつやってくるという、13人のトロール兄弟。しかし、この連中、1人目の羊をいじめるステキャルストゥイルから、13番目のロウソクを盗むケルタスニーキルまで、ろくでもないのばかり?! スプーンを舐めるヤツ(垢舐め?)、ドアをバタンと閉めるヤツ、窓から覗き見するヤツ、匂いを嗅ぎ回るヤツ…って、ヤバすぎでは…?! さらに、彼らの母親グリーラは、国中の子供達に恐れられる存在。島中の悪い子の情報を集めていて、攫った悪い子達を大釜で茹で、シチューにして食べてしまう! 彼女の相棒、大黒猫は悪い子だけでなく、クリスマスに新しい服を買ってもらえなかった子も食べるというのだから、ひどすぎる! 18世紀には、なんと国会で「グリーラ伝説で子供を脅してはならない」との通知が出された…!
他にも、幽霊も500人に1人の割合でいるという。雄牛の幽霊のゾルゲイルや、墓に棲み宝を守る死人ドラウグもいる。
そんなアイスランドの伝説の筆頭が、絵に描いたランドヴェーッティル。国章や貨幣にもなっている国の守護神、地霊である。石や木や川に棲み、岩石一つから、国土の一地域まで、守る場所は様々。その姿は、動物、時には竜や巨人の姿をとる。彼らは、度々外国からの侵入を防いでいて、デンマークのハラルド青歯王が魔法使いを送り込んだ際にも、東の巨竜・北の巨鳥・西の巨大雄牛・南の巨人が立ちはだかった。アイスランドの古い法律には、彼らを怯えさせぬよう、入港する際、舳先の竜をはずしたり、後ろ向きにさせるというものまであった。
ラーガルフリョゥトルムリンは、代表的UMA。ラーガルフリョゥト湖にすむ大蛇。初出は1345年の目撃例で、『スカールボルト年代記』に載る。その後も目撃例は後を絶たず、近年でも、1963年には森林警備隊が、1998年には学校の教師が目撃。1983年には、湖底ケーブル23か所の破損が…。2012年ビデオにも納められた。民話にも、ある少女が、黄金の指輪を下に敷いてナメクジを飼っていたが(こうすれば黄金が増えると聞いて)、やがてそれが巨大化して人々を襲い、二人のフィンランド人が、なんとか湖底に縛りつけたという。今でもこれの姿が見えると、凶兆とされる。
実は、アイスランド自体が北の海の最大最古のドラゴン、ストールワームから成ったという。国中の少女が生贄とされ、遂に王女の番が来た時、少年アシパトルがこれに立ち向かい、ストールワームの体内に入り込んで泥炭(ピート)をばら撒いて、退治した! これがのたうち回り、大地が割れて、デンマーク・スウェーデン・ノルウェー間に海が出来、その身体がアイスランドと成った。火山は、泥炭(ピート)の残り火だと言う…。
最後にもう一つ、アイスランドらしいスケールの大きい話を。最近、イギリスのダラム大学(小泉八雲やモリアティー教授の出身、『ハリー・ポッター』のロケにも使われた)の地質学チームが、アイスランドの下に巨大大陸が存在するとの発表を行った! もし事実だとすれば、パンゲア大陸が分裂して各大陸が出来たという定説が覆されることになる…。その名もアイスランディア!
常しへに春の火氷守りをり風来松