29. 死神

死を司るとされる。もしくは、人を死に誘う。

前者は、西洋の死神。骸骨の姿で、黒いローブ。手には魂を刈るという大鎌を持つ。足がなく、浮遊していたり、黒い翼を持つ場合もある。15世紀イギリスでグリム・リーパーと呼ばれ始めた頃、この姿が定着した。Reaperは「鎌」、Grimは元は「ぞっとする」「恐ろしい」といった意味だが、ここではオーディンの別名で、死の前兆を警告する精霊

キリスト教では『旧約聖書』に、ルシフェルと罪の天使サインの娘、デス

タロットカードでは、「停止」「損失」を意味する凶兆のカード「13.DEATH」。

後者は日本の死神。人に憑き死に向かわせる、縊鬼餓鬼付き七人ミサキ等がある。熊本県では、夜伽から帰る折、茶か飯をとらないと憑かれるといい、岡山県では、彼岸明けに墓に参ると憑かれるという。

近松門左衛門の『心中二枚絵草子』や『心中天の網島』に死神の言葉があり、桃山人の『絵本百物語』に餓鬼よのうな姿で描かれている。

『グリム童話』の『死神の名付け親』を元に作られたという、初代三遊亭圓朝の『死神』もよく知られる。最後の場面で、主人公の男は寿命の尽きかけた蝋燭に火を継ぐ事が出来ず...「あぁ...消える...!」

若者には若き死神花柘榴中村草田男