157. カチーナ

アメリカインディアンのホピ族に伝わる精霊。その数は400とも1000とも。

1300年頃の大旱魃の時、人の姿をとって現れたという。人々が堕落した為、去って行ったが、正しい儀式をすれば現れるといい、ホピ族はこれを数百年に渡って行ってきた。

儀式は年間を通じて行われ、10歳以上の男はカチーナのマスクを被り、キヴァ(精神世界の入口)で踊る。その姿を人形として家の壁等に掛ける。(お土産物としてもよく見かける)立春には、豆もやしを発芽させて配るクロウマザーが現れる。その名の通り宇宙からのメッセージを届けるカラスのカチーナ。ここでも、〈豆ダンス〉を踊る。夏至には、8日間絶食し、カチーナの仮面を被ってやはり踊る〈ニーマンの儀式〉が行われる。かつて、これに参加した我らが水木サンは、こっそり写生と録音をした…!!

カチーナは、冬至から夏至までをメサ(村)で一緒に、残りの半分は聖なる山で暮らすという。

絵に描いたココペリカチーナ豊穣の神で、笛を吹いて、豊作・子宝・幸運をもたらす。笛の音で、緑は芽吹き、花は咲き乱れ、動物は子供を産むという。元は半人半虫(キリギりス?)で、触覚・ファルス・背中には瘤という姿だった。新しい土地に移る際の先導役でもあり、行く先を清めてくれる。旅と、おしゃべりが好きという。かみさんが、グランドサークルを旅した折のお土産で、その存在を知った。

他にも、儀式のトリックスターコシャレ、病を治す穴熊のカチーナ白鬼黒鬼ブラックナタスカ…等がいる。

インディアン…といえば、幼い頃夜の商店街で大道芸というか、路上パフォーマンスというか、見るからにインディアンという風貌の(恐らく)家族が、火を囲んで踊るのを見た記憶がある…。強烈な匂いと、異様な熱気を今でも忘れられないのだが、一緒に見たはずの家族は誰一人として覚えてないというのだ…。

旅の空転がる草とココペリと風来松