366. 亀

先日、高校野球の愛媛県予選を見ていたところ、〈聖カタリナ高校〉の校歌の歌詞に、〈金亀城〉というのが出てきた。調べてみて初めて、〈松山城〉の別名と知った! 築城当時、山麓の内堀に住んでいた金色の亀が、名前の由来。

実は〈松山城〉以外にも〈金亀城〉と呼ばれる城は幾つかある。やはり、「亀は萬年」。縁起が良いからだろう。実際、クサガメの寿命は15〜30年。ミシシッピアカミミガメは40年、アカウミガメ・アオウミガメだと70〜80年、ガラパゴスゾウガメは100年! チャールズ・ダーウィンが〈ビーグル号〉で持ち帰ったという〈ハリエット〉は、なんと175歳まで生きた…!

特にアジアでは亀は神聖視される。中国では、四神の一が玄武で、蛇の巻き付いた足の長い亀。四瑞獣の一も霊亀で、蓬莱山を支える巨大亀。インドでも神亀とされ、三頭の象を背中に乗せた世界の像は有名。〈ヒンズー教〉では、これはクールマまたは亀の王アクーパーラと呼ばれる。ベトナムでは、大越国初代皇帝レ・ロイが、ホアンキエム湖の聖なる亀より授かった剣で、中国からの独立戦争に勝利したと伝わる。

ウミガメが近い存在であろうポリネシアでも、同様で、ハワイイでは、子供やサーファーをサメから守る神使アウマクアと呼ばれる。

ただ、西洋では『ギリシャ神話』には、ゼウスヘーラーの結婚をバカにしたニュンペーが亀に姿をかえられたという話が。

また、フランスのタラスコンでは、聖女マルタに退治されたという、一部分がカメのキメラ怪物タラスクの山車がでる祭がある(これ、熊本八代の〈妙見祭〉の山車亀蛇にそっくり! ただ、こっちは海から来たの乗り物)。

日本で亀と言えば、やはり『浦島太郎』。元の話では、亀=亀姫=乙姫だった。妖怪では、江戸時代に現れた預言獣で、角のある女の顔をした亀豊年亀。島根松江の月照寺の大亀は、夜な夜な人を襲ったので住職が巨大な石碑で封じた。小泉八雲も書き記しており、現存する。スッポンの幽霊は、スッポンを大量に食べた為、スッポンの恨みを買い、スッポンに憑かれた男。和尚魚というのも、和尚の顔をしたスッポン。海和尚はこれのウミガメバージョン。長壁姫の妹亀姫は、福島〈猪苗代城〉がその形から別名〈亀ケ城〉と呼ばれる事から。

UMAで、巨大亀というのは、最も存在の可能性が高いジャンルと言われる。コンゴ共和国リクアラのンデンデキは全長8m。硬い甲羅を持つという。オーストラリアには、白亜紀にいた4mの大亀アーケロンが生き残っていると言われる。ベトナムでは、2011年2.5m、200kgのゆうに100歳は超えるカメが発見された!

描いたのは、熊本銘菓〈亀せん〉。それを囲むのが、クッパ大王(ギネスでゲール史上一番の悪役に認定! モデルは牛魔王)、ガメラアトランティスに関係があるらしい)、ニンジャタートルズのミケランジェロ(サーファーのスラング「カワバンガ!=やったぜ!」が口癖)、そして『ドラゴンボール』の亀仙人(319歳)!

萬年を生きても食らう彼岸かな風来松