302. 三つ目

明治六年、東京神田元柳原の梅村豊太郎宅に、三つ目入道が出現。枕元に立ったかと思うと、見る見る間に天空を突く程に巨大化! その正体は古狸だった。東京下谷〈高厳寺〉の三つ目小僧も、同様の正体。ただ、こちらは寺を荒らす者を脅かして追い払っていた為、高厳寺小僧として祀られている。高知山佐山村の三面八面(さんめんやづら)は、その名の通り、三つ目の八つの顔を持つ巨大な妖怪。人を襲って喰っていたが、注連太夫に山ごと焼き払われて退治された。江戸時代の〈黄表紙〉にも、首の長い三つ目の見越し入道がよく描かれている。

三つ目のは多い。馬頭観音に、愛染明王...なにより、インドのシヴァ神は有名。その目は炎のように輝き全世界を照らすという。彼の妻パールヴァティ妃が戯れにシヴァ神の両手を塞いだ際に出現したと言い、そこから出た炎がヒマラヤの山々を燃やした...! 大仏なんかの眉間のほくろっぽいのは、目でもなく、白毫(びゃくごう)なる毛の巻いたもので、ブッダのそれは同様に世界を照らす。ヨーガの第6のチャクラ=アンジャーニであり、〈ビンディ〉をつける位置も、それらと同じである。インドでは、第6感の覚醒により、第3の目が開くとされ、松果眼という。これは脳にある分泌器〈松果体〉とも関連付けられる。デカルトは、ここにがあるとし、バタイユもこれについて論じている。

元々、脊椎動物にあった4つの目のひとつだとも言われる。今でも、〈ムカシトカゲ〉や〈ヤツメウナギ〉には、〈頭頂眼〉が残る。〈三葉虫〉にも3つ目の目があった事が最近になって判明。また、その目は〈方解石〉なるクリスタルでてきていたとも言われる。

2014年、インドのタミル・ナードゥのコーラサー村で、三つ目の牛が生まれた。2021年にはイギリス、2022年には再びインド・チャッティースガル・ラジナンドガオンで同様の事例が。それらは、シヴァ神生まれ変わりとして崇拝されている。しかし、これが生まれるのは、世界の寿命が尽き破壊され、次の創造に備える時とされているので、有難がってばかりもいられない...。

絵に描いたのは、昭和・平成・令和を代表する三つ目族!『三つ目がとおる』の写楽保介、『ドラゴンボール』の天津飯、『ONEPIECE』のシャーロット・プリン

蛙の目借時「お客様方の眼鏡は特注となります」風来松