275. 湖・池・沼

大学生だった時、北海道にいる従兄を訪ね、何人かで、1週間ほど旅をした。その時に立ち寄った〈摩周湖〉はきれいに晴れて、湖の中にある〈カムイシュ島〉もくっきりと見えた。この島は、孫を見失った老婆がなったとか、子を背負って逃げてきた女がなったとかの伝説があるが、どちらにしろ悲しみの為に、いつも霧に覆われているという(ここが観光地として人気が出るきっかけとなった歌が、布施博の『霧の摩周湖』)。ここで、霧が晴れていて〈カムイシュ島〉を見てしまうと、出世や婚期が遅れるという言い伝えもある。あれから、約30年...当たったとるがね...!

大学生時代から10年程過ごした広島には、〈白竜湖〉があった。名前の由来となった白竜は『ロミオとジュリエット』よろしく、恋仲となった敵同士の皇子と姫が湖に身を投げて、これとなっという。

その後移り住んだ熊本には、家の近くに〈江津湖〉という大きな湖があった。ここには、馬の疫病から人々を救った河童が、〈上無田水神〉として祀られている。

更に愛知に転勤となったのだが、この時によく行った犬山の〈明治村〉には、〈入鹿池〉が。1868年に決壊して大被害をもたらしたが、この直前「やろか、やろか」と声のするやろか水が聞こえたり、陣羽織の武者が湖より天に駆け上がったり、火の玉火柱も見られたという。

日本一の湖〈琵琶湖〉は、だいだらぼっちが掘った穴だと伝わる。また、この時に掘って出た土が〈富士山〉に! 前に書いた、俵藤太の大百足退治を依頼した竜神が棲む。

世界一の湖となると、〈カスピ海〉。2018年には「海」とされたが、2022年の『国立天文台理科年表』には、「世界一の湖」と載る。ここにも古くから、ルナンシャーがいる。半魚人UMAで、16世紀頃から今世紀まで目撃が継続されている。また、UFOの目撃も多く、スパイラル模様の謎の地上絵も存在する。

ここ、伊予松山には、湖は多分ない。池ならある。湖より小さく、人工的に作られたのが池とされる。馴染みのあるのは、子供の頃良く釣りに行っていた〈大谷池〉。地元では、有名な心霊スポットで、ありがちな首無し地蔵の伝説とかがある。1922年から15年かけて作られた県下最大のため池だが、その間100人の女が人柱にされたという(いくらなんでも、なさそうだが...)。学生の頃、良く肝試しにも行ったが、だいたいガサガサ音を立てて驚かせてくれたのは、池のカモだった...。

沼となると、湖が水深5m以上なのに対し、5m以下の、透明度の低い、天然の物という定義。日本最大の沼は、千葉〈印旛沼〉。大竜王に逆らい雨を降らせた為殺され、3つの体が3つの寺に祀られる。福島〈沼沢湖〉の沼御前なる大蛇は、二丈(約6m)もある長い髪の美女に化ける。(結局、ここ湖なの?沼なの?)

句は、何年か前、句友夫婦の披露宴にて、何かの間違いで披露されてしまった一句(改)。

漕ぎ出でて湖の真中の空まろか風来松