村上春樹の短編『氷男』を読んだ。氷男と結婚した女が、南極へ旅行に行き、そこで孤独のうちに感情も徐々に失われていく。そして、もうここから帰ることは出来ず、ここで氷男の子供を産むことになると確信するという、まさに冷え冷えとした話だった…。
これをノートの方に書いた頃には、『ゴーストバスターズ/フローズンサマー』を観た。ラスボスは、何でも凍らせるデスチルこと古代の神ガラッカ。前作程ではなかったが、SOSO COOL!
氷の妖怪といえば、東北のつらら女。氷柱(しがき)女房、すが女房、かねさおり女房とも。女房とあるように、男と夫婦になるが、風呂や台所で溶けてしまう。次の年の冬に復活して、別の女と一緒になった男を殺してしまう話も!
御神渡りで知られる長野諏訪湖には神使の狐がいて、これが渡るかどうかで氷の厚さの目安とする。奈良天理にある〈氷室神社〉には、額田大中産皇子に氷室を伝えた闘鶏稲置(ツゲイナギ)大山主命を祀る。この氷室は、古代より朝廷へ氷を献上し、今も氏子と冷凍業界によって維持されている。
海外で氷と言えば、やはり北欧。フリームスルスは氷寒の国ニヴルヘイムに住む、氷で出来た種族。スカジは、スカンジナビアの語源ともされる女巨人。氷・狩猟・スキーの女神とも言われるが、その名前の意味は、「影」・「死」・「傷を付ける者」の意味…。雪と氷の妖精はジャック・オー・フロスト。姿は小人とも、白髪の老人とも、雪だるまとも。氷柱の垂れ下がった服を着る。悪戯好きで、笑いながら人を凍らせる。春には溶けて消えるが、その時に枯葉や窓に霜の模様を残す。「ジャック」というのは、日本で言う「太郎」的なものか。
UMAでは、ミネソタアイスマンがいる。興行師フランク・ハンセンによりミネソタ山中で射殺(もしくは〈ベトナム戦争〉時に捕獲)された獣人。冷凍され見世物として各地で公開された。身長1.8m、全身10cm程の毛で覆われ、後頭部は被弾により崩れている。アイヴァン・サンダースンにより、本物と鑑定された。この時、銃弾痕が確認された事で、〈FBI〉が射殺容疑で調査をおこなっている。実は見世物にしていたのは模型で、本物はスイス・ローザンヌの博物館に移管されている。2001年には、解凍されたが、現在は行方不明…。
さて、絵に描いたのは氷姫。モデルは、沙村広明『春風のスネグラチカ』(スネグラチカは雪娘だが)。トーベ・ヤンソンの『ムーミン谷の冬』の氷姫は、見る者すべてを凍らせてしまう。句は、彼女を見て凍ってしまったリスの話から。一方、ハンス・アンデルセンにも『氷姫』がある。子供の頃に氷河に落ちた男が氷姫に目をつけられ、大人になり結婚式の日に、湖の中に連れ去られてしまうという恐ろしい話。元ネタは、スイス・レマン湖ベイルツ島の伝説。といえば、あのナルシスが、湖に映った自分に口づけしようとして溺れ死んだ? もしや、これも氷姫の仕業?
たとえシッポが凍ろうと氷姫に風来松