そろそろ、クリスマスシーズンだ。サンタクロースって、どのジャンルに入れればいのだろう? 聖人? 精霊? UMA…は、ないか。
起源は、4世紀東ローマ帝国時代、現在のトルコ辺りのミラという地にいたニコラオス司教。彼が、娘三人を身売りしなければならなくなった家に、コインを投げ入れたところ、それが暖炉に干していた靴下に入ったという。ニコラオスは、学問の守護聖人として列聖され、セイント・ニコラオスとなり、これがサンタクロースとなった。彼はまた、子供や商人の守護聖人でもある。この伝説が、12世紀にはスペインに。13世紀に伝わったオランダでは、船乗りの守護聖人とされ、11月中旬の土曜日にスペインから舟で上陸し、白馬に乗ってみかんや、お菓子を配って廻るとされた。
また、スウェーデンのトムテはサンタクロースに似た存在で、農家の守護聖人だったが、キリスト教化の際には悪魔とされた。(『ニルスの不思議な旅』でも、主人公ニルスを魔法で小さくした!)他にも、フィンランドのトントゥ、ノルウェーのニッセ、アイスランドの13人のユールラッズ。ロシアではマロース爺さんと娘のスネグーラチカがプレゼントを配って歩く。これらの伝説がサンタクロースと混ざり合っていった。
17世紀オランダ人の入植者がアメリカに伝える。19世紀には、クレメント・クラーク・ムーアが、煙突やトナカイの詩を書き、トーマス・ナストが小肥りで白いひげのサンタクロースのイラストを描き、さらに20世紀〈コカ・コーラ社〉が赤と白の服を着せ、ノーマン・ロックウェルが描き、そうして今のサンタクロースの姿が確立していった。
トナカイは、ダッシャー・ダンサー…の8頭に、赤鼻のトナカイルドルフを入れて9頭。毎年、彼らの引く橇を、〈北米航空宇宙防衛司令部=NORD〉が追跡している。
クリスマスツリーは、ドイツ発祥で、エデンの園の中央の生命の木とされる。それ以前から、永遠の命が宿るとされてきたモミを使用する。
クリスマスの定番メニューであるチキンは、元々感謝祭の食べ物。何故か日本人はローストチキンや、〈ケンタッキーフライドチキン〉を食べたりしてしまう。昔、〈ケンタッキー〉の隣に住んでいたことがあったが、クリスマスは朝から長蛇の車の列が出来ていた…。本来は、チキンでなく、ローストポークだ。前頁の豚のところでも触れたが、フランスの一部や、スウェーデンでは豚がサンタクロースの化身だと言われる!?
ドイツでは、サンタクロースは双子で、もう片方のクネヒト・ループレヒトは悪い子に、鞭用の木の枝をプレゼントする。東欧でも、クランプスとシャープなる怪人がが石炭や臓物をプレゼント! ハイチのトントン・マクートになると、袋に入れて攫っていく!!
さて、筆者は随分昔に、フィンランドのロバニエミで、政府公式のサンタクロースに会った。ラップランドのコルヴァトゥントゥリ=耳の山の出身。日本語もとても流暢だった!デンマークにも、〈サンタクロース協会〉があり、1988年には日本初の公認サンタクロースに、マイレージマニアで、〈マン盆栽〉でも有名なパラダイス山本がなっている。
去年今年フロ屋の煙突昇るもの風来松