104. UFO

未確認飛行物体Unidetified Flying Object。

元は米空軍の公式用語である。

1947年6月24日ケネス・アーノルドは、ワシントン州レーニア山頂付近を自家用機で行方不明の海兵機を捜索中、9つの光る物体が少なくとも、時速2000キロで飛行するのを目撃! これが、戦後初のUFO目撃例となる。「円盤が水面を跳ねるように飛んだ」と発言した事から、マスコミが空飛ぶ円盤と報じた。直後には、事件の調査にあたった記者を始め、付近の空港職員や、ユナイテッド航空の機長らも目撃。6月30日には、FBIが〈プロジェクトブルーブック〉を発足、調査を開始する。その後ケネス・アーノルドは、SF雑誌『アメイジングストーリーズ』の編集者レイモンド・パーマー(UFOという概念を発明した人物)の依頼で、ワシントン州モーリー島の、UFOの破片の調査も行うが、回収した飛行機が墜落しブツは失われたという...。

1952年ジョージ・アダムスキーは、友人らとモハーヴェ砂漠で、銀色のUFOと遭遇。金星人と接触し、その足型の石膏をとる! その後、写真撮影にも成功。かの有名な、アダムスキー型UFOである。更に、8ミリでも映像を収め、コダック社により本物(?)と、鑑定された。

1957年日本にUFO研究団体〈宇宙友好協会CBA〉設立。三島由紀夫も観測会に参加した。アメリカのUFO研究家ジョージ・ヴァン・タッセルが提唱する宇宙船を意味する宇宙語「ベントラ」なる、UFOを呼ぶ際の掛け声を広めた。

やがて、1970年代、日本で空前のオカルトブームが到来。少年時代の筆者も、ネッシー雪男ツチノコノストラダムスの大予言...そして、UFOと、すっかり熱に浮かされる日々を送った。

そんな中、お隣高知県介良で、大事件が...!

なんと、地元の少年等が小型UFOを捕獲したというのだ! 中にお湯を注いでみたり、いきなり消滅したり、括り付けた自転車が宙に浮いたり...と、トンデモ展開が...。ただ、そのUFO明らかに青海波の柄で、宴会場によくあった灰皿そのもの...。ただ、地元の大人達もいろいろ目撃しており、取材に訪れた遠藤周作も、「とにかく何かが起こったというのは事実らしい...。」と結論している...。

1976年には、あの、日清焼そばU.F.O.が発売! 実は「うまい、ふとい、おおきい」の頭文字なのだが、小さくUnidetified Flying Objectの文字も。翌年、ピンク・レディーが『UFO』を歌い大ヒット! もちろん焼きそばのCMにも出演。作詞の阿久悠は、電通主催のイースター島への旅で、横尾忠則が「UFOを呼ぼう」と言い出したところ、本当にそれらしきモノを目撃したというエピソードから、これを作った。ちなみに、日本人だけがUFOを、「ユーエフオー」でなく、「ユーフォー」と呼ぶのは、焼きそばと、彼女らの仕業である。

やがて、そんなオカルトブームも落ち着いた頃筆者が初めて劇場で観た映画が、かのスティーブン・スピルバーグの『E.T.』だった...! その宇宙船は、これまで見てきたものとは全く違ってて、正直格好良くはなかったが、不思議と親近感を覚えた...。実はこの映画、監督が政府からの依頼で、人々の宇宙人とのファーストコンタクトのショックを和らげるべく作られたという説もある。

2021年トランプ政権の公約により、UFOの報告書が公開されたが、この際UFOでなく未確認空中現象という意味のU.A.P.が使用された。
ただ。筆者の中のUFO熱は今だ密かに沸き立っており、描いたのは只今劇場公開中の映画、あさいいにお原作の『デッドデッドデーモンズデデデデストラクション』。そして、中国の小説SF『三体』を読破中。

UFOが空覆う日の目玉焼きチャンヒ