114. 異類婚姻譚

人とは違った種類の存在と、人との間の婚姻譚。世界中に見られる。

多くは、男に助けられた異類の女が、礼として嫁ぎ、子をもうけたり、家を富ませたりする。しかし、男がタブーを犯す事で去っていく。或いは、何らかの礼として女が、異類の男の元へ嫁入りをする。しかし、異類の方は騙されて川に沈められたりして、女は逃げ帰るというパターン。

異類には、前に書いた『天女の羽衣』のように。『遠野物語』に出てくる河童のような妖怪。これも前に触れた『牡丹燈籠』なような幽霊。『黒姫伝説』や、中国の『白蛇伝』の蛇(もしくは)。オシラサマは馬、『鶴の恩返し』は鳥。『里見八犬伝』やしっぺい太郎は犬(太平洋諸島でも多い)。『浦島太郎』の乙姫も明治頃までは亀と同一だった。他にも水の生き物では、鯨・蛸・蛤・鮒...と多くある。

親が異類という話も少なくなく、有名なところでは、安倍晴明は狐の葛の葉酒呑童子ヤマタノオロチ、金太郎は山姥という。

始祖が異類という例も世界中にある。モンゴルのチンギスハーンは、蒼き狼ボルテ・チノの生まれ変わり。後金のヌルハチや、ベトナム丁朝の始祖はカワウソという。沖縄県八重山の人々はコウモリ!

西洋でもこの手の話はあるが、の化身だったり、魔法で姿を変えられている人間というパターンが多い。『ギリシャ神話』では、よくゼウスが、白鳥やら水滴やらの姿で人間にちょっかいを出す話が多々あるが、全知全能のだか知らないが、なんだか気持ちが悪い...。恋や性の神エロースと人間の王女プシュケーの話や、ポセイドン呪いでミノース后パーシパエーと牛の間に生まれたミノタウロスもいる。

珍しい例では、フランスの蛇女メリュジーヌがいる。元々、泉の精とスコットランド・オルベニーの王の間に生まれたのだが、母親からかけられた呪いにより、週に一度だけ、下半身が蛇、ドラゴンの翼の姿となってしまう。このメリュジーヌ、何人もの貴族と関係を持ち、10人以上の子を産んだ。その中には後の国王もいたという。やはり、旦那連中は土曜とか日曜とかの沐浴見るなと言われてたのに、見ちゃったというパターン...。

現代でも、異類婚姻譚は多く作られている。吸血鬼ならドラマ『トワイライト』、ゾンビも映画『ウォーム・ボディーズ』、半魚人の『シェイプ・オブ・ウォーター』は大ヒット! マンガ『街でうわさの天狗の子』もあった。

大夕焼つうでも鶴でもいいじゃない風来松