「ギョギョギョ!」魚に関する妖は、古今東西多くある。
日本で言えば、古くは『日本書紀』に記された地震を起こす大鯰。同じく、日本武尊に退治された吉備の巨大魚悪樓(あくる)。江戸時代、安房国に現れたのは、島と間違える程の大きさの赤エイ。また、蝦夷の東海側に現れたのオキナも、2〜3里(約8〜12km)という巨体で、鯨も一呑みにしたという。常陸国のイクチ・あやかしはウミヘビ型。西日本の磯撫・影鰐はサメ型。龍魚は、吉兆とされたが、チョウザメだと考えられている。
川や池の妖も多い。南方熊楠の『南方閑話』にある和歌山・龍神村のコサメ小女郎は、美女に化けて男を水中に誘い込み食べていたという。東北の鮭の大助は川魚の王と呼ばれ、これの声を聞いた者は死ぬという!新潟・高浪の池のトミタロウ、山形・大鳥池のタキタロウは、実在すると言われる池のヌシ。『釣りキチ三平』でも描かれた。
中国にも、漢の時代の魚頭は、鮪の頭に人の体で、人を食うという。鯉の生まれ変わり魚美人、始皇帝に射殺された大鮫魚、『白蛇伝』の青魚の精小青(シャオチン)…等がいる。
西洋では、『ギリシャ神話』の海獣ケートス。たった一匹で400人の操るガレー船さえ動かすと大プリニウスが記したレモラ。中世では、二本足の巨大魚ビショップフィッシュ。北欧のアスピドケロン。『マオリ神話』のトゥナは鰻の精で雷鳴や大津波を操る。ヒンズー世界では、ヴィシュヌ神の化身マツラ、神の乗り物マカラ。イスラムのバハムートは地球を支える巨大魚だ。
UMAでは、以前取り上げたウモッカ! 1990年代にブームとなった人面魚も懐かしい。
さて、絵に描いたのはご存知、さかなクン。あのハコフグ帽子のまま国会に出たり、同じ研究分野の平成天皇と会話する等、すギョイ人物である…。2022年彼の自伝的映画『さかなのこ』は名作だった! その後、自伝『一魚一会』も読んだが、映画でさかなクンを演じた、のんもそうだが、好きな事をやり通したってのは凄い! そして、それに寄り添った家族も。(愛媛で動物の絵を描いてブレイクした石村嘉成くんとも重なる)そんなさかなクン実は、水木サンのファンでもあり、葬儀にも参列していた。なんと、その時のハコフグ帽は喪バージョンだった!
魚心あれば澄む水心あり風来松