『全身、爬虫類のように硬そうなウロコにおおわれていて、色は濃い茶褐色、シーラカンスの様に、足様のヒレが前後4足付いています。大きさは1.5mくらい、(後1.8m以上と訂正)頭は魚というよりも、トカゲ? 口中には細かい歯がびっしり並び、頭の上だけウロコが無くツルッと光っていて見事に不細工。ー「これはどうするの?」と聞くと「マサラで...」やはり食うのですね。UMAカレー...。』
これは1997年ネットのサイト『謎の巨大生物UMA』に書き込まれた一文である。投稿したモッカさんから、ウモッカ(魚+モッカ)と命名された。ネット上では、専門家も参加しての騒ぎとなり、程なく〈ウモッカ探検隊〉が結成。隊員の一人、タカさんが現地入りする。断っておくが、サイトの運営者さくだいおうさんは、元JICAの方で、本業は医療機器メーカーの研究員。中東を中心に60カ国で活動。サツキマスの人工飼育の研究も行っている。タカさんも、国際援助の仕事をしていて、ウモッカさんは学校の美術の先生だ。つまり、これは決して妄想系の話では無いという事が言いたい!
やがて...ウモッカ熱も冷めかかった2005年。あの、ムベンベでデビューした〈早稲田大学探検部〉OBのノンフィクションライター高野秀行が、遅ればせながらネット上でウモッカを発見。探検部の後輩カメラマンのキタや、生物学者、在日インド人らを巻き込み、ウモッカ発見に向け動き出す!これが後に『怪魚ウモッカ格闘記インドへの道』にまとめられた。結局、高野自身はかつてのシルクロードでの越境が祟り、インドにすら入国出来ず、タカ一人が探索を行うも手がかりはなく、ウモッカは再び姿を消した...。
その正体は、最も有力とされるキクザメや、ヨロイザメ、ラブカ、古代魚ユーステノプテロンやシーラカンスの一種...等が挙げられる。が、やはり、ここは新種説を推したい! モッカさんがウモッカを見た漁師町プーリーは、カーストで最下層の不接触民の土地らしく、それだけに今まで表に出てこなかったという線はアリだと思う。因みに、インド人は海の魚は食べないという話がある。ゲーテの言葉にも「砂漠のインド人は魚を食わぬ事を誓う」なんてのがある。確かに、デリーの辺りでは暑い時期は魚介は避ける傾向にあるらしい。(傷みやすいからね)
魚類では、1938年南アフリカでシーラカンスが発見された!(1997年にはインドネシアでも発見)1976年にはメガマウス! 2020年〈WWE〉はメコン川流域で224の新種の発見を報告した! もう、高野でも、早稲田大学探検部でもいいから、早いとこウモッカを見つけに行ってくれ...でないと、自分で行くぞ!
春泥や今ウモッカと擦れ違う風来松