『千と千尋の神隠し』で、ハクの体から出てきたタタリ虫を踏み潰した千に向かって、釜爺が「えんがちょ」と言って両手で作った輪を切るというシーンがある。
えんがちょ。子供の唱え言葉。汚いものに触れた者を囃し立てたり、その者からの感染を防ぐ為と称して唱える。語源は、「えん」は「縁」「穢」、「ちょ」は「ちょん切る」。もしくは「因果の性」からとも言われる。
えんがちょは、地方によって多くのバージョンがある。北海道ではビッキピッコロ(「ビッキはアイヌ語の「カエル」)、エッタチーンキ(「エッタ」はロシアの鬼ごっこでの鬼のかけ声)。東京ではエッピー。名古屋、めんき(免疫?)。大阪、ぎっちょ(左利きと同じ。元々、中国から伝わった遊び〈毬杖〉から)。神戸、みっき。広島、ぶりっきゅー。福岡、がっぴ...等など。筆者の育った伊予松山では、げっちと言っていた気がする。
ポーズは前述の輪を切るもの、絵に描いている『ワンピース』のバルトロメオがしている、人差し指と中指を交差させるもの。これは歴史があり、平安時代の『平家物語絵詞』の中で、信西の生首を見ている人々がしている! 松山では、各指を隣の指に乗せるというともので(今やって見るとつりそうになった...!)、両手でやるとだぶるげっち!
しかし、このえんがちょ、昭和40年位までで廃れていったようで、変わってバリアが使われた。当時流行った『ウルトラマン』や『鉄人28号』の影響らしい。
ただ今回のネタ自体、イジメや差別につながるせいか、あまり記録が無い。確かに子供の頃、これをやられると、ひどくダメージを受けた気がする。一方で、あの頃は不潔なものや、汚れたものが、すぐ近くにいっぱいあった。野良犬のフンとか、汚い格好をしている人も普通にいたし。清潔で無菌な今の日本には、もうえんがちょは必要ないのかもしれない。
そうか! 忘れてたその手があったか! 花粉症にもコロナにも「バーリア!!」風来松