1783年。アイスランドの大規模な火山の噴火がもたらした日照不足と有毒ガスにより、国内の人口の約2割が死亡。それは『北欧神話』の文書『エッダ』に記されている最終戦争ラグナログを連想させたという。巨人のスルトの剣により、世界は焼き滅ぼされてしまうのだ…。
アイスランドと同様に火山国である日本にも、『日本神話』の国産みから既に、火山神としての伊奘冉がいる。彼女は、八十国・八十八島を産み、最後に火の神の迦具土(カグツチ)を産むが、その際美保土を焼き死んでしまう。その迦具土も、妻を殺され怒った父親の伊弉諾に首をはねられ、血や体からまた多くの神が生まれた…。
火山の女神といえば、やはりハワイイのペレ。炎・稲妻・ダンス・暴力を司る。元々は南の島(タヒチあたり)に住んでいたのだが、様々な島を産みつつ、ハワイイ島キラウエア火山のハレマウマウ火口に落ち着いた。彼女については、姉である海の女神ナーマカオカハイの旦那にちょっかいを出し、逃げる先々で島を産むが遂に殺されてしまい、その魂が前述の火口に宿るという話も。他にも嫉妬で、妹のヒイアカを焼き殺したり、マウナケアの雪の女神ポリアフと争ったり、豚神カマプアアと夫婦喧嘩をしたり、統一戦争でカメハメハ1世に助力したり…と、様々な伝説が伝わる。
ニュージーランドでは、火山地帯のトンガリロで、女山ピハンガを巡っての火山同士の争いの伝説がある。
映画『未知との遭遇』で有名になった、アメリカ・ワイオミング州の〈デビルスタワー〉も火山から出来たとされ、巨大熊に追われた7人の女の子を救うため出現したと伝わる。
南米火山の神ワリャリョ・カルウィンチョは、『アンデス神話』の4創造神の一。荒々しい気性で、生贄を出させ人を食った。ワロチリ地方の活火山がモデルと思われる。後から来た牧畜民ヤウヨの信仰する4創造神の一雪山の神パリアカカに殺される。
ヨーロッパでは、やはりイタリア。『ギリシャ・ローマ神話』にも、火山の神ヘーパイストス=バルカンがいる。元々は、小アジアやシケリア島等火山帯の地方を起源とする火山と雷の神だった。後に炎と鍛冶の神とされ、1つ目の巨人キュクロープスを従え、ゼウスの盾アイギス・アルテミスの矢・青銅の巨人タイタロス等を製作。人類最初の女とされるパンドーラも彼が作った! ヘーパイストスは、ゼウスとヘーラーの第一子なのだが足が奇形だった為、母により海へ投げ込まれてしまう! しかも、妻のアプロディーテーからも、醜さを嫌われ浮気されてしまう等、散々な目に遭う…。因みに、第一子が奇形で、捨てられてしまうというのは『日本神話』の蛭子によく似ている。
アフリカ東部にも火山が多くあるが、タンザニアのオルドイニョ・レンガイはマサイ語で「神の山」。聖地とされマサイの儀式が行われている。
話を日本に戻そう。寺田寅彦は、国生み神話は火山のメタファーであると書いている。富士山の木花咲耶姫も火山神であり、火に包まれた産屋で、火須勢理命=山幸彦と火照命=海幸彦を出産した。
絵に描いたのは、懐かしの昭和アニメ、園山俊二の『ギャートルズ』。1974年にアニメが始まり、あのマンモスの肉と、のんびりしたナンセンスなムードを覚えている。マンガは1965年から『週刊漫画サンデー』で連載されたのだが、当初は戦争・略奪・強姦が繰り返されるという描写の連続で、最後は神が目を離している隙に文明を発達させたクロマニヨン人は滅ぼされてしまうという、シビアな内容だったらしい…!
遠噴火マンモス肴に花見酒風来松