体長90〜150cm。赤い毛に覆われた、もしくは骨と皮の痩せた姿。赤い目、鋭い牙、長い舌、背中には一列に並んだ複数のトゲ。二足歩行で、カンガルーのように跳びはねる。羽根を持ち飛行出来るとも。当初は、トカゲ型だったが、最近は別のUMAブルードッグと同一視されているせいか犬型となっている。ヤギ・ウシ・ヒツジ等の家畜を襲い、血を残らず吸い尽くすという。スペイン語で「チュパ」は「吸う」(チュパチャップスの)、「カブラ」は「ヤギ」。英語では直訳でゴートサッカー。
初出現は、1995年3月プエルトリコ中部オロコビス。ヤギ8頭が血を抜き取られている姿で発見され、死骸には鋭利な管で刺したような3つの穴があったという。8月には同国カノバナスの女性が遭遇。周辺で、血を抜かれたらしい牛馬が発見された。被害は拡大していき、アルゼンチン・チリ・メキシコ・アメリカでも目撃が相次ぎ、その数は1000件を超えた。
翌1996年1月には、前述のカノバナスで警官エリゼール・リベル・ディアスが遭遇。飛び去ったという。これが、初の飛行例であり、背中のトゲも目撃された。が、その姿は前年に公開された映画『スピーシーズ』のシルの姿に酷似している...。2004年チリでは、農夫ホアン・アキュナが、2体の空から飛んできたチュパカブラに襲撃された。
正体としては、❶ミュータント説。1989年プエルトリコのセイバ・ノルテで、蛇の頭と翼を持つUMAを住民が捕獲したが、米軍により強奪されるという事件が起こった事から。実際、プエルトリコにはアメリカの遺伝子研究所があるという。❷エイリアン説。カノバナスには1984年UFOが山中に墜落。その後、UMAの目撃が相次いでいる。❸動物説。最も有力とされるのが、皮膚病や狂犬病にかかったコヨーテ。他にも、野犬・アルマジロ・実験用のアカゲザル等。
1970年代。宇宙人の仕業とされたキャトルミューティレーションも、やはり血を抜かれた家畜が発見されると言う事件だったが、チュパカブラの例とよく似ている。実際、野犬などに襲われて死ぬと、血液のほとんどは流れ出て地面に吸収される為、これの原因として妖しい噂が、それぞれの時代で発生するらしい。
実は日本にも、和製チュパカブラとも言うべき牛打ち坊がいる。いや、こちらの方が先なのだが...。徳島県北部に伝わる妖怪で、『阿州奇事雑話』には、夜更けに家畜小屋に入り込み、牛馬を微かな傷をつけるだけで死に至らしめるとある。猛毒を持つとも、血を吸うとも言われ、姿は狸に似た黒い獣とも。旧暦の7/13には、竹や藁で作った〈盆小屋〉に封じ込め焼き殺す行事が行われる。これに、寄付を出さない家にはナスが投げ込まれ、そこの家畜は三日以内に死ぬという!
絵に描いたのは、新宿歌舞伎町の『屍派』を束ねる、北大路翼アニキ。まかり間違って、これを目にされたなら、すみません...ファンです!
いやな世になっちまったなチュパカブラ北大路翼