20代の頃、毎年〈ハロウィン〉をやってた事がある。花屋から飼料用のでかいカボチャを買ってきて、〈ジャック・オー・ランタン〉を作り、カボチャ料理を作り、仮装して家々を回った。あの頃は、お祭り好きが15人位いて、いつもいろいろ騒いでた。筆者の仮装で一番の出来は、『スター・ウォーズ』のダース・モール。自分以外では、〈自由の女神〉をやった背の高い男が、どう見てもイエス・キリストにしか見えなかったのが印象深い。
さて、〈ハロウィン〉。〈万聖節前夜祭=all hallow's evening〉。子ども達が、幽霊やら魔女などに仮装して「Trick or Treat!」と言いながら、お菓子を貰って家々を回る。19世紀の〈ジャガイモ飢饉〉でアメリカに移住したアイルランド移民により広まった。今の形になったのは、1950年頃と言われる。日本では1970代、東京原宿の〈キディランド〉が始まりらしい。
起源は古代島嶼ケルト人のドルイド信仰の新年の始まり、11/1の祭〈サウィン〉。一年をライトハーフとダークハーフに分けて、その境。この日、門が開きオアスシー、バンシー、プーカ等が迷い込むという。日本の〈盆〉や、メキシコの〈死者の日〉のように、先祖の霊が帰ってくるのだが、それに紛れて、精霊や悪霊も。それらから身を守るため人々は仮装し、大きな篝火を焚いた。これが、〈万聖節〉と結びついたのだが、悪魔や魔女が登場する〈ハロウィン〉は、キリスト教は否定的らしい。
仮装以外にも、日本では知られていないハロウィンイベントもあり、たらいの中のリンゴを手を使わず口だけで取る〈アップルポビング〉、ブランデーで火を付けた干しブドウを摘みとる〈スナップドラゴン〉等がある。
また、前述の〈ジャック・オー・ランタン〉は、元々は〈ルタバカ〉なるカブ。起源は、悪魔も騙したジャックが、結局天国にも地獄にも行けずランタンを持って彷徨っているという話から。小説『スリーピー・ホロウ』で、首無し騎士が手にしている事でも、広まった。
創作では、その『スリーピー・ホロウ』が1999年に映画化された。監督はティム・バートン。1993年に、パペットアニメーションで、〈クリスマス〉に憧れる〈ハロウィン〉の国の王様ジャック・スケリントンが主役の名作『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』も撮った。1982年の『E・T』にも、〈ハロウィン〉が描かれた。
描いたのは、〈ハロウィン〉に、『深夜食堂』の〈めしや〉を訪れた、『ワンピース』のナミと『聖☆おにいさん』のイエス。
ハロウィンのカウンターに神と悪魔風来松