世界人類が最後は破滅を迎えると説く「終末思想」。特にキリスト教に色濃いが、世界各地の様々な宗教にもある。
キリスト教では、50年頃パウロにより、終末信仰が始まった。95年頃には、作者は不明だが、『ヨハネの黙示録』が記され、ここに世界の終焉が細かく描かれた。前頁の天使のラッパや、666の獣...とてもここに描き切れる量ではない。が、大まかに言えばサタンとの最終戦争=アルマゲドンで最後の審判が下され、イエス・キリストが復活。彼が直接支配する千年王国が地上に出現する。
ヒンズー教にも「ユガ思想」なるものがあり、これは世界が生成と終末を繰り返すという考え。いくつもある期間の内、現代は末期とされヴィシュヌ神の化身カルキが白馬の騎士の姿で現れ、破壊よりの再生を行うという。
儒教もヒンズー教に似ていて、この世は一元=12万2600年毎に、終末と再生を繰り返しているとされる。
仏教の末法思想では、釈迦の入滅後、既に末法の世が始まっているとするので、ニュアンスが異なる。
前頁でも触れたマヤ暦は、2012年12月21日で終了していると騷がれたが、結局何にもなかった...。いや、解釈の違いで2020年と言ってたが、これまた何事もなく過ぎていった...。もっともっと長い周期だとか、そもそも世界の終わりなんて書かれていないという説も...!
描いたのは、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の地図。この題名は、アメリカのカントリー歌手スキータ・デイヴィスの『この世の果てまで』からとられている。『太陽はなぜ今も輝きつづけるのか 鳥たちはなぜ今も歌い続けるのか 彼らは知らないのだろうか 世界がもう終わってしまったことを』
色鳥は知らぬ世界の終わりし事を風来松