145. 魔神仔(モシナ)

台湾の妖怪魔神非神非鬼とも言われ、字のごとくでもでもなく妖精ぽい扱いか。二千年前から存在しているという。小柄で毛に覆われ、赤い衣服を、身につけている。動きは素早く山や林の深くに棲み、人を惑わせる。土やミミズや牛糞を、騙して食べさせるような悪戯から、命に関わるような悪さまで働く。

『捜神記』には『目は鏡のごとく輝き、うさぎ大の体の妖怪。人になった後、再び妖に戻り、外で人をおどろかす。』と記されている。

句に詠んだ「鬼門開く」は、台湾で鬼月と呼ばれる旧暦七月の事。日本で言うお盆で、この一ヶ月はあの世の門が開き死者が帰ってくるとされる。この時期、深夜に遊ぶ・水辺で遊ぶ・人の名を呼ぶ...等の行為はタブー。

今でも台湾では、人が失踪すると魔神仔の仕業とされる。

鬼門開く早よ帰らんと魔神仔が来るぞ風来松