151. 七不思議

置いてけ堀本所七不思議。御神渡りが有名な諏訪大社七不思議学校の七不思議は、トイレの花子さんに、動く人体模型や、音楽家の肖像...。世界の七不思議となると妖怪色は薄れ、ピラミッド、バビロンの空中庭園...と、伝説の建築物が並ぶ。

なぜ「七」なのか?それは、人の把握できる最大の数だからだ。次の「八」は、「八百屋」「八百八町」「八百万の神」と、数え切れない数を表す。

さて、今回詳しく取り上げるのは、我が故郷、我が松山の七不思議

一.鳴かずの蛙。二代藩主・蒲生忠知の一喝で、お堀の蛙は全く鳴かなくなった。正岡子規の句にも「石垣やカエルも鳴かず深い堀」とある。

二.片目鮒木屋町四丁目の紫井戸の鮒は、かつて弘法大師に、食われかけたところを救われ、それ以降皆、片目となる。「鮒なます鮒に片目の由来あり」子規。

三.十六日桜旧暦一月十五日。孝行息子の願いで花を咲かせた、龍隠寺の桜。小泉八雲の『怪談』にも載る。「うそのような十六日桜咲きにけり」また!子規。

四.打たぬ陣太鼓松山城の刻太鼓がいろいろな方向から聞こえる。長宗我部の怨霊とも。

五.二の丸の俎板石前述の蒲生忠知が妊婦の腹を裂いたという大石。この殿様、ろくな話が無く、部下の笛の名人が天狗から貰ったという箱を無理やり開けさせると、そこには「蒲生家断絶」と書かれた紙が入っていて、数年後、その通りになった...。しかし、これらの話は政治的にでっち上げられたもので、実はいい政を行ったという説もある。

六.こんにゃく橋花園町から西堀端にあったという、渡るとこんにゃくのようになる橋で、ここで転ぶと死ぬという!

七.かきつばた屋敷若草町の家老・竹内浜五郎邸で殺された若侍の霊が、謡曲『杜若』を歌う。

他にも、松山城の長者ヶ平の西にあった首洗いの池。かつてここで、間者が十まで数えて首を落とされたのだが、今でも十まで数えると笑い声が聞こえるという。小学生の頃、肝試しで実際行ってやってみた事があったが...あれ?どうなったんだろう...?

秋の虹かなたにかじは見えんぞな風来松