428. 蜥蜴

トカゲ亜目の爬虫類。四肢は短く腹を地に着けて動く。尾は長く切れても再生する(ただ再生した尾は骨でなく軟骨で構成される事が多い)。皮膚は金属的な光沢(季語にも「青蜥蜴」「瑠璃蜥蜴」がある)。主に虫などを食し、「キュー」や「ケッケ」と鳴くものもいる。

語源は、戸の陰に隠れて動く「戸陰」、素早く駆ける「敏駆け」…等からと言われる。

南極以外の全大陸に生息。カナヘビ・ヤモリ・イグアナ・カメレオン・最大のコモドドラゴン…等がいる。

その姿がに似ていることから、日本では竜神の使いや化身とも言われ「石竜子」とも表記される。また、よく知られるようにヤモリは「家守」、姿は似ているが両生類のイモリは「井守」とも書かれ、家や井戸を守るとされる。

海外では、尻尾が生え変わることから、再生・復活の象徴とされた。

中世ヨーロッパでは、エデンの園の蛇が四肢をつけられてトカゲのような姿で描かれ、知恵・予言の力を持つと言われた。また、耳から受精し口から卵を産むと考えられた事から、処女受胎の寓話として聖母マリアの持ち物ともされた。古代ギリシャでは、壁を這うトカゲの様子から吉凶が占われた。これはインドでも行われ、ヒンドゥー教でトカゲはのメッセージを伝えると言われた。

ハワイでもトカゲはモオという名の幸せと平和と豊穣をもたらす女神とされ、ヤモリも彼女の化身または守護霊と言われた。マヤ文明の最高神イツァムナーは、双頭のイグアナやイグアナと人の顔を持つ姿で描かれた。彼らは世界全体が巨大な爬虫類の体と考え、この神が人々に太陽暦・文字・薬・作物の栽培を教えたとする。アボリジニーのカーニィーもトカゲ姿ので、やはり人々に狩猟や調和を教えた存在だ。

サラマンダーバジリスクもいるが、前者はどちらかというとサンショウオから来ているし、後者はモンスターじみているので、ここでは割愛する。

悪魔トカゲなる種がオーストラリアに実在して、正式にはモロクトカゲという。トゲトゲだらけの姿を、古代中東のモロク神になぞらえての命名。

UMAでは、アメリカのリザードマン、同アーカンソー州の巨大トカゲゴウロウ(1897年に射殺されたが、遺体はスミソニアン博物館に運搬中に行方不明に…)、オーストラリアのメガラニアやインド・アッサム地方のブルも巨大トカゲで、共に古代の恐竜や爬虫類の生き残りではと言われる。

さて、実は妖怪は多くない…。越前湯尾に伝わる守宮(いもり)は、戦乱で死んだ武士が小人になって井戸の周りに住み着いたもの。正体はヤモリというので、ややこしい。他には、大阪や岐阜に出た大トカゲ、徳島には口の二つあるトカゲを祀っていた家があったという。

句は、筆者の第三の故郷である熊本の、復興中の熊本城で詠んだもの。

金蛇の出番待ち座す石垣に風来松