328. 星

先日、JAXAの探査機SLIMが日本初、世界で5番目の月面着陸に成功したのだが、世間はそっちのけで、やれ政治と金だとか、やれ大谷がヒットだとかばかりで、大いに不満...。

さて、中国ではかつて流星を天狗星と呼び、日本でも、あまきつねと言った。前述の天津甕星は、葦原中国平定の段で、唯一服従しなかった、星の神。金星とも言われる。

美濃にはダダ星様なる巨人がおり、周囲の山を担いだ等の伝説が残るが、これはダイダラボウシからの変化らしい。また、蓑火の事を、星鬼の火星火とも呼ぶが、こちらも直接、星とは関係は無い。

占星術では、火星・土星・天王星・冥王星が凶星とされる。九尾の狐が日本に渡った際に出現したという彗星も同様。

メネシスは周期的な大量絶滅を仮定する際の想像上の凶星で、オールトの雲を乱し天体衝突する彗星の数を増加させるというが、発見されてはない...。

星座は、古代エジプトや、メソポタミヤに始まり、『イーリアス』にも、おおぐま座が載る。

『ギリシャ神話』を言い出すと切りが無いので、幾つか。くじら座は、実はクジラではなく海の怪物ケートスである。原初の海の女神ティアマトとも。ケートスの生贄にされた、アンドロメダ座のアンドロメダ姫を救うため、ペルセウス座の勇者ペルセウスがメデューサの力で石化させた。ペルセウスが持つメデューサの首が、アルゴル。食でいきなり暗くなるため、不幸で危険な星とされた。日本で鼓星とも呼ばれるオリオン座は、その中のベテルギウスは平家星、リゲルは源氏星と呼ばれ、神話では巨人の狩人。彼を死に至らしめたのが蠍座である。

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』で、井戸に落ちた蠍は自らを悔い星となる。『ぼくはもうあのさそりのようにほんとうにみんなのしあわせのためならぼくのからだなんか百ぺん灼いてもかまわない』それを句に詠んでみた。

さて、近年の星のニュースで印象に残っているのが、2013年ロシアのチェリャビンスクの隕石落下。そして2017年史上初、太陽系外から飛来した恒星間天体オウムアムア−ハワイイ語で、「使者」。水素ガスを出し加速したりした事からUFO説も!

この葉巻型を見て想い出したのが、1985年トビー・フーパー監督の『スペースバンパイア』。ハレー彗星と共に来た美女エイリアンが地球の男共の精気を吸い取るというB級作品で、当時中2だった筆者も友人共々、劇場で精気を抜かれてしまった...。翌年、実際にハレー彗星が来て、更に次の年、『スペースバンパイア』が日曜洋画劇場でテレビ放映。淀川長治が、「全裸でオッパイ丸出し」と連呼していた...。

次にハレー彗星がやってくるのが、37年後2061年...筆者は90歳...! 生きて見られるかな?

友語る赤い目玉の蠍悔いるを風来松