128. ドッペルゲンガー

ダブルバイロケーションとも。ただ、後者は自分の意識で出現させられる。

自分そっくりの分身。同時に複数の場所に出現。本人が見える事例と、そうでないものがある。基本的には他人とは話さない。本人と関係のある場所に現れる。忽然と消える。本人が見ると死ぬ。他人でも二度見ると死ぬ...等と言われている。

歴史上、多くの人がドッペルゲンガーを見たと証言している。古代ギリシャのピタゴラス、ロシアのエカテリーナ2世、イギリスのエリザベス1世、リンカーン...日本でも芥川龍之介が!

ドッペルゲンガーを題材にした作品も多く、前述の芥川龍之介、梶井基次郎、ドストエフスキー、オスカー・ワイルド、ポー...。シューベルトは音楽で、ダンテは絵画で表現した。近年でも、黒沢清の映画『ドッペルゲンガー』、絵に描いたデビット・フィンチャーの『ファイトクラブ』等がある。

医学的には、〈自己像幻視〉と言う。脳腫瘍におけるケースが多いと言われ、芥川龍之介も、エカテリーナもこれに当たる。ドッペルゲンガーが「死の前兆」と呼ばれるのは、この為か。

ただ〈自己像幻視〉において、他人に見える事例は当てはまらない。その最たるものが、1845年フランス人教師エミリー・サジェの例である。ラトビアで教師をしていた彼女は、10人以上の生徒にドッペルゲンガーを目撃されている。それは、彼女のすぐ隣で黒板に文字を書いていたり、鏡の中に現れたりした。そして、ある日42人の生徒らの前で教壇と校庭に2人のサジェが出現! ドッペルゲンガーと思われる方に、果敢にも触れた生徒によれば、柔らかな布や、クモの巣のようだったという...。

気になる点が一つ。前述の奇跡同様、多くは子供達による体験という事だ。

後の月ワタシの見てはいけない私風来松