449. ポータル

2024年6月。インドネシア上空にポータルが出現したと騒ぎになった。ポータルというのはざっくり言うと異世界へのゲート。

確かに写真は、夕暮れらしき空に大きな楕円形の雲のようなものがあり、真ん中はポッカリと穴が空いているようにも見える…。

1940年2月19日。アメリカ海軍士官で探検家のリチャード・イヴリン・バード少将が、南極を探検飛行中に突如として白い霧に包まれ、いわゆるホワイトアウト状態となる。霧自体が発光しているように見えた為、アラスカにSOSを報せようとしたその刹那、視界が開け眼下にはあるはずのないジャングルの光景が広がっていた…計器による外気温は摂氏23℃! そこには絶滅したマンモスやサーベルタイガー、巨人の姿も…! やがて出現したUFOに誘われクリスタルのようなもので出来た町へ。そこには、友好的で落ち着いた雰囲気のアルザル人がおり、彼らのマスターに当時米軍が作り出していた原爆について正しい使い方をするよう警告を受けた。

この一件がポータルを抜けたのではないかと言われている。

実はこれ1964年にアメリカの作家レイモンド・バーナードによる『空洞地球 史上最大の地理学的発見』に書かれた話である。もちろん、リチャード・バードの公式な記録ではなく、後に発見されたという彼の日記(コレも疑わしい)をもとに筆者が創作したものだとされる。

百歩譲って、バーナードの作り話でないとしたら、当時の原爆製造に対してバード少将自身が警鐘を鳴らすためのフェイクだったのではないだろうか?

現実では、バード少将は、1929年5月9日にフォッカー三発機〈ジョセフィン・フォード号〉による初の北極点到達。大西洋横断ではリンドバーグに一カ月の差をつけられるも、11/28にはフォード4AT三発機〈フロイドベネット号〉で南極点上空飛行を達成して国民的英雄となる。その後、海軍の大規模南極調査〈ハイジャンプ作戦〉の指揮を取り、その過程で前述の事件に遭遇したとされる。

その後もポータルでは…という話は時々語られてきた。1978年イギリス・レディングのマン一家がドライヴ中突如遭遇したというジグザクに伸びた生垣のトンネル、1979年アメリカ・ヴァージニア州のトラック運転手ハリーターナーが光りに包まれ信じられない距離を移動した話、2008年イリノイ州シカゴで、学生の乗る車がすさまじい音を上げドアが溶けたという件、2015年ロサンゼルスで警察の追跡していた車がこつ然消えた事件、2017年中国山東省済南市上空に出現した長方形の不思議な発光体…。

他にも古今東西、名は違えどこの手の話は多い。古代中国ではドラゴンライン、南アメリカのスピリットライン、オーストラリアのアボリジニのドリームライン…。スターゲイトという名称もよく耳にする。

宇宙と言えば、2012年にNASAが地球と太陽の磁場が繋がっているXポイント=〈磁気ポータル〉が存在すると発表した。これは、太陽風が地球の大気圏に注ぎ込む見えない扉で、毎日数十回開閉しているという…!

なんだか今回のポータルというお題、いつも以上にぼんやりしていて、掴みどころがなかったのだが、磁気ポータルなんてものがあるのなら、地球上の何処かに別次元への扉なり境目なりがあってもおかしな話ではないかもな〜…と、最後になって思ったりした。

絵はご存知、アベンジャーズのドクター・ストレンジが作り出すポータル

そして今でも探してる夏への扉風来松