444. 微小

前回の〈巨大〉に対しての〈微小〉…いい言葉が見つからなかった…。

昔スティーヴン・キング原作の『痩せゆく男』というのがあって、ロマの呪いでどんどん痩せていっちゃうのだが、子供心にもこれは怖いなぁ…と思った。更にリチャード・バックマン名義で『浮かびゆく男』というのも書いていて、こっちは見た目の体型は変わらないのに体重だけがどんどん減っていき、遂にはタイトル通り空に浮かんで消えてしまう…。ファンタジックではあるが、死のメタファーで哲学的な話とも言われる。実はこれらには元ネタがあり、1956年リチャード・マシスンの『縮みゆく男』。こっちは、一日に8分の1インチ(3.175mm)ずつ縮んでいく! 映画化され近年リメイクも。そんな作品群を元に、荒木飛呂彦も『ジョジョの奇妙な冒険』で、敵を縮ませるスタンドを描いている。

小さくなるといえば、1966年リチャード・フライシャー監督の『ミクロの決死圏』! 脳内出血となった要人を救うため、医療チームが潜水艦ごとミクロ化し、体内に入り手術するというストーリー(これも87年にリメイク)。小さくなるといえば、『ドラえもん』のスモールライトだが、藤子不二雄はこの映画を見て「先にやられた…!」と後悔したとか。75年に『たとえ胃の中、水の中』で、間違って食べてしまったオパールを探して、しずかちゃんの体内に…という話を書いた。ただ、実は53年に手塚治虫が描いた『38度線上の怪物』で、既にこのアイディアは描かれていた! なんと手塚は『ミクロの決死圏』の制作スタッフとして招かれていたというから驚きだ…! このジャンルは後に遠藤周作も『初春夢の宝船』で使用。患者は吉永小百合の姪で、最後は屁で脱出というトンデモ話! 更に『ウルトラセブン』でも、患者の子役時代の松坂慶子の体内へ。彼女の体内に巣食うのが宇宙細菌ダリーなのだが、この名前恐らくサルバドール・ダリからだと思われる。というのも『ミクロの決死圏』の美術を担当したのがダリ!…というガセネタがかなり出回った。これはほぼ同年にダリがリトグラフで、映画の原作と同名の『Fantastic Voyage』を発表しており、これと混同されてしまった為。あ因みにこれもまた『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンドとして登場!

あ! そうえいば、「巨大」に続き、こっちもアベンジャーズのアントマンか!

さて、小さい妖怪というと、一つ目小僧豆富小僧袖引き小僧からかさ小僧雨降り小僧…と、小僧系がいるが、小さいといっても子供サイズ。すねこすりくさびら神ケサランパサランは小さそう…。目玉おやじもいたか!

コロポックル等の小人妖精は以前取り上げたのでここでは割愛。ただ、イギリスのモリスは自称ピクシーハンターのアーウィン・サンダースが25年間、観察していてその映像も公開しているのでもはやUMA? 同じくマレーシアやインドネシア・タイ…等の南アジアの広範囲にトヨールというのがいて、これも実物が瓶詰めで発見されているのでUMAか…。死んだ赤子を呪術師使い魔としたもので、頭の大きい緑色の赤子の姿。盗みやいたずらをしたりする。

都市伝説では小さいおっさん。神様では少名彦命。昔話では『一寸法師』。

さて、最後に「縮小」に話を戻そう。この宇宙はずっと先に〈ビックバン〉から〈ビッグクランチ〉に転じる…というのは昔から言われている説。が、2026年1月「宇宙が膨張しているのではなく物質世界が縮んでいる」という新説が発表された! こう考えると、いくつかの矛盾も説明がつくとか。宇宙誕生より3〜4割小さくなっている計算という…。え…じゃあこの先、一体どうなっていくんでしょう…??

山動く嘉納治五郎の浮腰風来松