21. 天使

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ゾロアスター教等の聖典、伝承に登場するの使い。

英語のangelは、ギリシア語の「伝令」「使者」アンゲロス、ペルシア語の「密使」アンガロス、サンスクリット語の「神霊」アンギラス等が語源と言われる。(『ウルトラマン』の怪獣アンギラスは、恐竜のアンキロサウルスから)

一般的に、美しい少年、青年、もしくは赤ん坊の姿で描かれるが、中性的で性別はない。ただ、女性の姿で描かれる例もほとんどない。定番となった翼も、聖書の中に記述は少なく、初期には描かれていない。初出は、379年から在位のテオドシウス1世の〈君主の石棺〉。ルネサンス期の『ローマ神話』のクピトの影響と考えられる。2013年ローマ・カトリック教会のラヴァトリー神父は、その姿は目に見えない陽光のようなものだと発言している。

ユダヤ教のサンダルフォンは、世界の半分の大きさという大巨人...!

キリスト教では、プロテスタントにおいては天使はほとんど顧みなれないが、ローマ・カトリックでは、重要視される。ここでは、人が歩む道全てで彼らを見守る存在とされる。神秘思想家、偽ディオニシウス・アレオパギタの『天上位階段論』によると、天使には、9つの階級がある。熾天使セラフィム智天使ケルビム座天使オファニムが上位の父の天使。その姿は、多くの翼や目を持ち怪物じみている。次の子天使は、主天使力天使能天使。続く精霊の位に、権天使大天使がいて、ここにミカエルガブリエルラファエルらがいる。そして、天使、さらには一人一人に着く守護天使が。ただ、これについては、会派等でいろいろな説があるらしい...。

イスラム教には、ジブリールミカイールイズラエール、そして終末にラッパを吹くというイスラーフィールの四大天使。他にも、性的誘惑に負け人に妖術を与えたハールートマールートら所謂堕天使がいる。

同様にキリスト教の聖書偽典『エクノ書』にも、天使の一部グリグリ200人が人の娘と交わり、巨人ネフェリムを産み出したとある。が彼らは『ノアの箱舟』の大洪水で死に絶えたとされる。また、『ヨハネの黙示録』にはルシファーが、神に反逆し敗北し地獄の長になったと。ユダヤ教のクムラン教でも、闇の天使ベリアル悪魔とされている。

フランスでは、日常でしんとなる瞬間を、「天使が通った」と言う。また、ベルなどのチーンという音は、天使が翼を貰ったものだと、映画『素晴らしき哉、人生!』で言っていた。天使といえば、森永製菓のエンゼルマーク。由来は、創業者がキリスト教徒だった事と、アメリカではマシュマロがエンゼルフードと呼ばれていたことから。子供の頃、チョコボールの金なら1枚、銀なら5枚で当たる、おもちゃの缶詰に憧れたものだ。

さて、描いたのは1987年ヴィム・ヴェンダース監督の『ベルリン・天使の詩』の守護天使ダミエル。役者はブルーノ・ガンツ。人間のサーカスのぶらんこ乗りに恋をして、人間になる。地上に落ちてきた際、実体化する天使の鎧を売ればいいのだと教えてくれるのが、元天使で、本人役のピーター・フォーク! 続編で、ラファエルを演じたナスターシャ・キンスキーは、本物の天使みたいだった!

雷の先に天使がいたようなチャンヒ