303. 鮫

その起源は4億年前。現在の鮫の原型が出来たのさえ中生代とされる事から、「生きた化石」とも呼ばれる。

人との関係も古く、愛知県南知多の古墳からは鮫漁に用いられたと思われる釣り針が発見されている。『延喜式』にも食用にしたとの記述がある。

神話では、有名な『因幡の白兎』に和邇の名で登場。山幸彦の話にも、妻となった海神の娘豊玉姫が出産の際、八尋の和邇の姿の正体を現した。

三重県志摩でも鮫は竜宮の使者とされ、琉球でも海神の使いとされる。ハワイイにおいても、女神ペレの兄は鮫の神カモホアリイである。

妖怪では、島根県温泉津の影鰐。凪の日に船乗りの影を喰う。九州各地に伝わる磯撫でも同種と思われ、尾にびっしりある卸金のような針で人をひっかけて海に落とす。三重県の大口鰐も似ている。愛知県渥美の祇園鰐は、名の通り祇園祭りの日に現れ、魂をあの世へ運ぶ。この日、土地の人々は海へ出ない。

描いたのは、勿論サメ映画の金字塔、スピルバーグの出世作『ジョーズ』。鮫の見せ方、サスペンスフルな展開、魅力的な登場人物、そしてジョンウィリアムズのテーマ曲! 筆者のベスト1候補である。その後も正当、亜流含め今に至るまで数数のサメ映画が作られ続けている。今年も『温泉シャーク』なるC級邦画が公開される...。

ところで、ジョーズことホオジロザメだが、なんとレッドリストの絶滅危惧種II類に! やはり映画以降、乱獲が続いた事も少なからず影響している。2022年、スピルバーグはBBCのラジオで謝罪。原作者ピーターベンチュリーも保護活動に尽力しているとか!

今も海行って泳げばあの曲が風来松