31. キジムナー

沖縄のガジュマルの木に棲む、長く赤い髪の毛の子供のような姿の、木の精。跳ねるように歩き、水面の上も歩けるという。人を騙したり、イタズラすることが好き。一方で、山仕事や漁を手伝ってくれたりもする。ただ、住処を奪われるなどすると、ひどく祟るとも言う。男女・大人子供も存在。好物は、魚の左目、グルクンの頭。嫌いなものは蛸、鶏、屁。

地方によって、ブナガヤミチバタヒジムンセーマアカンダーキーヌシ等、様々に呼ばれる。

昭和の頃まで、子ども達はキジムナーの足跡を見る遊びをしていた。薄暗く静かな場所に円を描き、白い粉を撒き中心に線香を立てて20秒待つと、足跡が現れるというもの。大宜味村でも、小屋を建ててキジムナーを夜通し待つ〈アラミ〉が戦後まで行われていた。この様子は映画『ホテル・ハイビスカス』でも描かれていた。8月10日の旧盆にはシーサー火が現れる。今帰仁村のヤガンナ島は死者を弔うタブーの場所とされており、入ってくる人間は口に性器を突っ込まれ、窒息させられるという!

『海の神とキジムナー』では、人の為にハマヒルガオを植えたキジムナーが、怒った海神とケンカして、最後にはシーサーとなって戦う。これをシーサーの起源としている。

沖縄民謡には『ちょんちょんきじむなー』というかわいい曲がある。

キジムナの招く南風ぱいかじ旅支度風来松