141. 幻の島

幻の島といえば、誰もが思いつくのが、アトランティスだろう。古代ギリシャのプラトンが『ティマイオス』の中で記述。大西洋や地中海にあったとされる広大な島で、資源も豊富、土地も肥え、高度な文明と強力な軍事力を持った。住民はポセイドンの末裔という。しかし、プラトンの生きた9000年前にゼウスの怒りにより海没した。

これと双璧をなすのがムー。こちらは太平洋にあったとされ、やはり栄華な文明を誇ったが12000年前にやはり海没。ただ、この情報源はインドかチベットの寺院にあった粘土板。発見したのはアメリカ人作家ジェームス・スチュワートという詐欺師まがいの人物なので、信憑性に欠ける...。

ほかにも、東南アジアのスンダランド、南極のメガラニカ、ニュージーランド・ニューカレドニアのジーランディアに、超大陸ゴンドワナ等など...。

日本では、やはり黄金の島ジパング。マルコ・ポーロの『東方見聞録』で知られる。そこには黄金だけでなく、食人の習慣もあったと記されている! イスラムのイブン・フルダーズベの記した最古の地誌にあるワークワークとの関連も言われている。「倭国」=「ワーク」?また、沖縄の遥か東の海の彼方にあるという、神界ニライカナイ。それと似た、波照間島のさらに南にあると言われる南波照間(パイハテルマ)も。1648年には人頭税に耐えかねた島民が、この島を目指して脱走している。

絵に描いた補陀落観音菩薩が、降臨するとされる伝説の八角形の山。サンスクリット語の「ポータラカ」からきていて、〈ポタラ宮〉もここから。中世、ここを目指して船を出す〈補陀落渡海〉が度々行われた。絵は、マンガ『ヴィンランド・サーガ』から。バイキングのレイフ・エリクソンが辿り着いたヴィンランドは北米のニューファンドランドあたりではと思われる。

秋濤に出ず補陀落へ補陀落へ風来松