98. 百物語

新月の晩、複数人で集い怪談を行う。一つ話すごとに、一つ蝋燭の火を消していき、百話話し終えると、本物のが現れるという。有名なのが青行燈で、白い着物、長い黒髪、お歯黒、そして頭には角! 鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』に描かれている。また、最後に出るのが大蜘蛛だったり、小判や餅が降ってきたり、後に立身出世したりというハッピーエンドも!

起源については、国学者・北川信節は、不寝番の夜伽衆の巡り語りとし、折口信夫は『古屋の森』だと考えた。戦国時代の頃は、武士の鍛錬の為だったが、江戸時代以降、遊戯的・享楽的となっていった...。

1677年『諸国百物語』、1706年『御伽百物語』、1841年『絵本百物語』、森鴎外、岡本綺堂。 そして手塚治虫も。(内容は『ファウスト』)現代でも京極夏彦の『巷説百物語』が!

ところで、実際の百物語では、百までは話さず、九十九話目で止めて、夜明けを待つというのが慣例らしい。さて、この場はいかがしたものであろうか...?

影のなき終の語り手百物語恋衣